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ITILに基づく運用管理の実現に向けた実践事例

~富士通社内の基幹システム運用管理事例~

施行目前の金融商品取引法(通称:日本版SOX法)で要求される「ITによる内部統制」、また、「属人的な仕事のやり方」 といったIT運用の課題……。今、システムの運用管理には、「安定稼働」や「運用コスト削減」だけではなく、ITを使った「業務が正しく運用されていることの証明」が新たに求められています。富士通社内システムの運用管理においても、同じ課題がありました。今回の特集は、富士通自身の実践事例を例に挙げて、どのようにこの課題を解決したのか、また、製品開発へのこだわりを見ていくことにします。

[2007年2月9日掲載]

富士通社内の基幹システムが抱えていたシステム運用の課題

富士通社内の基幹システムは、メインフレーム数台とサーバ千数百台からなる大規模なもので、複数のセンターに設置されており、24時間365日の集中監視を行っています。万一、システムが停止してしまえば富士通の事業継続を脅かすことに直結するため、安定運用は必須の条件です。

使用されているサーバOSには、Windows、Solaris、Linuxなど多岐に渡り、ハード面でもメインフレームからオープンサーバまで多種のプラットフォームが存在します。また、接続環境もイントラネット、エクストラネット、インターネットと様々です。「IT全般統制」を実現するためには、それらすべてを対象に、統制された運用管理を行っていく必要があります。この観点から、以下のような課題が顕在化してきたのです。


  • サーバ運用システムの増加による運用コスト増大
  • 業務システムの構成複雑化により障害切り分けが長時間化
  • センター毎に個別監視を行っているためサービスレベルに差異が生じ、管理負担も増加

このような課題を踏まえ、富士通における社内基幹システムの開発および運用を担当する、コーポレートIT推進本部では、サーバ系の運用管理について、以下を目標に掲げました。


  • 運用のための開発効率化
  • 集中監視による運用最適化
  • センター運用管理業務の効率化

このためには、システムの開発と運用の役割分担を明確化するとともに、業務システムのオペレーションなど、指示から実行、結果のフォローまでのプロセスを明確化し、属人的なプロセスを排除することが必要です。これは、ITILが求める要件でもあるのです。

そしてこれらの目的を達成するために選択したのは、富士通の統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker」(システムウォーカー)でした。

社内だけでなく、お客様の要件と成りうるかも吟味

このシステム構築にあたっては「システム運用管理として何が必要か」を洗い出し、その要件が現行のSystemwalker製品で実現可能かを調査・検証。さらにこの富士通社内の要件は、お客様の要件と成りうるかも吟味した上で、製品のロードマップを作成し、製品開発に役立てています。

コーポレートIT推進本部では、これらの基幹システムに、システム全体を監視する「Systemwalker Centric Manager」と、システム自動運用のための「Systemwalker Operation Manager」は既に導入していました。しかし、前に述べた目標を達成するためには、さらにシステム全体を統制した運用管理を実施する必要があります。そこで、2005年9月頃からシステム開発・運用部門にヒアリングを行い、システム要件を集約。その結果を基に製品開発部門と連携し、製品に求められる機能などの要件を定義しました。

これらの作業を経て、新製品として開発されたのが、運用プロセス管理「Systemwalker IT Process Master」と、システム全体の稼働予定や稼働状況を一括して管理する「Systemwalker Availability View」です。さらに、既存製品についても機能改善が盛り込まれることとなり、2006年11月「Systemwalker V13.1」としてラインナップされたのです。

 ITILに基づく「プロセス指向の運用管理」を実現する「Systemwalker V13.1」
[図] ITILに基づく「プロセス指向の運用管理」を実現する「Systemwalker V13.1」

社内システムへのSystemwalker導入による効果

コーポレートIT推進本部によれば、今回のSystemwalker製品の適用によって、大きくは以下の効果を見込んでいます。


  • 社内システム全体を統制された形で運用する
  • いち早く異常を検知し、即時対応が可能になる
  • どのスタッフでも均一な対応が可能になる
  • 開発部門と運用部門の役割を明確に分担する

以下に、富士通社内システムに導入されたSystemwalker各製品よって期待される効果を、それぞれ詳しく示します。

製品 現状(問題点) 適用後 効果
運用プロセス管理
Systemwalker IT Process Master
  • 手続方法の調査/調整
  • 申請シートの受け取り
  • 申請書の作成
  • メールで申請依頼
  • 進捗の問合せ
  • 申請情報の保管
  • 作業プロセスの標準化
  • 申請情報の一元管理
  • システムからの依頼メール発信
  • プロセスの進捗を画面で確認
  • 標準プロセスでの運用ルールが明確となる
  • 作業品質の向上が図れる
  • 情報の一元管理と共有化
  • 管理資料作成時間の短縮
稼働監視
Systemwalker Availability View
  • 開発部門での個別運用
  • 異常通知はジョブネット終了時
  • 業務の稼働予定と実績の管理
  • 部門別単位、関連システム単位などの一括監視
  • ジョブ異常終了時の即時通知
  • 開発部門での監視作業をセンターにシフト、監視工数の圧縮
  • 24時間365日の監視精度向上
  • 異常ジョブの即時対応が可能
ジョブ管理
Systemwalker Operation Manager
  • 条件ごとのジョブネット作成
  • ジョブネット間連携は、メッセージ連携ジョブの作成
  • ジョブネットのカレンダー設定が可能
  • ジョブネット間連携はGUIで定義
  • ジョブネットパターンの変更時などのメンテナンス工数削減
システム統合監視
Systemwalker Centric Manager
  • システム全体の稼働監視
  • メッセージの監視
  • インシデント管理システム(社内ツール)へのメッセージ連携
  • 統合的なインシデント管理が可能
性能監視
Systemwalker Service Quality Coordinator
  • 開発部門で個別に運用
  • 独自ツールなどを利用して監視
  • 監視結果に基づくチューニング情報の提供
  • しきい値を基にセンターが監視
  • 監視工数削減
  • ラブルの未然防止
  • ツールの標準化による監視レベルが向上

社内で実践した結果は、製品へ反映 ~“お客様起点”のこだわり~

今後も、”先進のITユーザ“として、多くの社内実践をノウハウとして製品開発元にフィードバックすることで、よりよい製品をお客様に提供することを目指します。そして、多様化するお客様の運用管理要件にお応えし、お客様のITIL適用を強力に支援してまいります。どうぞ、ご期待ください。

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