「SystemWalker」と「CiscoWorks2000」を連携
リアルタイム監視と可用性向上に大きな成果
エスティ・エルシーディ株式会社様 導入事例
ネットワークシステムの可用性を高めるためには、サーバ類だけでなく、スイッチやルータなどのネットワーク機器のリアルタイム監視も不可欠である。1997年にソニー(株)と(株)豊田自動織機製作所の合弁で設立されたエスティ・エルシーディ(株)は、富士通の統合運用管理システム「SystemWalker」とシスコシステムズのネットワーク管理ソリューション「CiscoWorks2000」の連携により、ネットワーク機器のリアルタイム監視に成功。先進のネットワーク運用管理環境をいち早く実現した。
[ 2001年4月掲載 ]
ソニーの技術力と豊田自動織機の生産管理ノウハウを融合

小倉 健二氏
エスティ・エルシーディ(株) 取締役業務・管理担当管理部長
ネットワークシステムの安定稼働とTCO最適化のためには、運用管理が不可欠である。さらにネットワークの可用性を高めるためには、障害が起きないように事前予知をすることが大切だ。したがって、サーバだけでなく、ネットワーク機器のポート単位まで、トラフィックや稼働状況をチェックする必要がある。つまり、システムを構成する重要な要素であるサーバから、ネットワーク機器までを含めたトータルな運用管理が必要不可欠なのである。
エスティ・エルシーディ(ST LCD)は、こうした先進的なネットワーク管理の考え方を、設立当初から実践してきた。同社は、ソニーと豊田自動織機の均等出資会社として1997年10月に誕生。主要製品は、液晶ディスプレイの中でも視認性の良い低温ポリシリコンTFT高画素ディスプレイである。
「ST LCDは、ソニーが誇る世界最高水準の液晶技術と、豊田自動織機が誇る製造技術の融合により、品質の高い製品を短いリードタイムで生産できるのが強みです。ただしこの強みは、信頼性の高い情報伝達環境がなければ実現できません」と、取締役業務・管理担当管理部長小倉健二氏。ネットワークの可用性を高めることは、同社のコアコンピタンスを実践するための経営課題と言っても過言ではない。
「CiscoWorks2000」と「SystemWalker」とを連携

植村 益達氏
エスティ・エルシーディ(株) 管理部システムグループリーダー

長谷川 真次氏
エスティ・エルシーディ(株) 管理部システムグループ主任
ネットワーク構築は、97年10月の設立時点から開始。99年の生産開始前には確実に間に合わせなければならないため、ソニーと豊田自動織機の技術者のアドバイスを得て、急ピッチでネットワーク設計を進めた。
スイッチ製品は、世界的なデファクトスタンダードであるシスコ製品で統一した。「ハイパフォーマンス、柔軟性、スケーラビリティ、経済性などに加えて、ネットワーク製品側から管理用の信号を発信してくれるなど、先進の機能をバランス良くフル装備している点を評価しました」と、管理部システムグループリーダー植村益達氏は言う。
スイッチレイアウトはスター型を採用した。コンピュータルームに大容量基幹スイッチCatalyst5500を置き、主要なサーバはここに直結。さらに、各フロアにフロアメインスイッチとしてCatalyst2916を光ファイバで接続し、そこに部門レベルのサブスイッチCatalyst1924を設置していく。また、Catalyst2916間を直結して迂回路を設けるスパニングツリーを構成し、冗長性を高めたのである。
シスコ製品は、ネットワーク管理ソリューションとして「CiscoWorks2000」が用意されているのも魅力だ。その中でも「Cisco-View」は、ネットワーク機器のフロントパネルやバックパネルの状況をグラフィカルに表示する機能などを持ち、スイッチのリアルタイム監視が容易にできる。
ただし、CiscoViewの画面を常時監視する人員の余裕はない。ネットワークのリアルタイム監視をさらに効率よく実践するためには、障害が起きたときにのみ管理者へメールを発信するといった機能が必要になる。そこで、CiscoWorks2000と親和性の高い統合運用管理システムとして選んだのが、富士通の「SystemWalker」である。富士通は、CiscoWorks2000をSystemWalkerのパートナー製品としてセットで提供し、両者のスムーズな連携を実現しており、導入実績も多い。
「通常、ネットワーク機器を管理する際には、コマンド操作が必要となりますが、30数台のスイッチに対して、その都度コマンド操作をすることは事実上不可能です。ユーザーインタフェースとしてSystem-Walkerを利用し、そこから必要に応じてCiscoViewを呼び出すことで、誰でも容易に効率的な運用管理を実現できるようになります」(植村氏)。
CiscoWorks2000と連携できる統合運用管理システムはいくつか検討したが、SystemWalkerは、サーバからシスコ機器までのトータルな管理をシームレスに行えるという観点から最も機能性に優れており、ユーザーインタフェースがわかりやすく、コストパフォーマンスも高い。
「さらに大きなポイントは、富士通の手厚いサポートです。富士通のエンジニアは、些細な質問にもすべて、きちんと答えてくれたのが印象的でした」と、管理部システムグループ主任長谷川真次氏は言う。
ST LCD ネットワーク概念図

スイッチの運用状態をポート単位でリアルタイム監視した
り、
トラフィックの詳細なモニタリングが可能
重大な障害のみを電子メールで即座に通知
ゼロからのスタートであるだけに、多少の紆余曲折があったが、生産準備期間中に、予定通りすべてのネットワークインフラを完成させることができた。
CiscoWorks2000とSystemWalkerを組み合わせたネットワーク運用管理システムの最大の特長は、管理者の手間を増やすことなく、ネットワーク機器をリアルタイムに監視できることである。
シスコ装置からは、膨大な量のトラップ情報が発信されている。SystemWalkerは、あらかじめ設定したルールに従い、基幹スイッチのポートの1つが故障した、電源がシャットアウトしたといった重要な情報だけをフィルタリングして、電子メールで管理担当メンバーのパソコンに通知する。管理者はふだんはネットワーク機器の監視を意識する必要がなく、実務に専念できる。
問題の原因究明も、SystemWalkerのわかりやすい画面をマウスでクリックしていくだけで簡単にできる。「通常は、ポートが1つ故障してもネットワークサービスに影響が出ない限りは気が付かないため、トラフィックが増大したときに、どうもおかしい、原因は何かということになり、対処が後手後手になります。当社のネットワークシステムは、ポート1つでも故障したらすぐに対応しておきますから、可用性を高めることができるのです」と植村氏は自信を込めて語る。
シスコ製品の特長の一つであるVLAN機能も活用。事務系と工場系で別のVLANを定義して、互いに干渉しないように完全に分けている。「万一、事務系でおかしなパケットが発生しても、工場系には決して送られないという構造にして、可用性をさらに高めているのです」と植村氏は説明する。
今後は、蓄積されたトラップ情報を分析して異常パケットを検出するノウハウを磨くなど、事前予知対応を強化していく。
「富士通には、シスコとのアライアンスをより強化し、私どもに対する新情報のスムーズな提供と、監視システムおよびネットワーク機器を含めたトータルなサポートを今後も続けていただきたい」と植村氏は期待を語る。
富士通には、グローバルサーバを含めたサーバからクライアントパソコンはもちろん、シスコ製のネットワーク機器までシステム全体を構成するハードウェア製品とそれらを運用管理するために欠かせないソフトウェア製品のフルラインアップおよび卓越した技術ノウハウがあり、設計~導入~運用~保守の各フェーズを一貫して任せられる安心感・信頼感がある。
富士通とシスコという2つのリーティングカンパニーのアライアンスは、ST LCDの今後の成長も支えていく。
【エスティ・エルシーディ株式会社様 会社概要】
| 本社 | 愛知県知多郡東浦町 |
|---|---|
| 設立 | 1997年10月 |
| 資本金 | 300億円(ソニー(株)50%、(株)豊田自動織機製作所50%) |
| 売上高 | 200億円(2001年3月期見込み) |
| 業務概要 | ソニーと豊田自動織機製作所の合弁会社として設立された液晶ディスプレイメーカー。ソニーのデジタルカメラ用1.5型ディスプレイから、ビデオカムコーダのカラーパネル、PDAの3.8型ディスプレイ、携帯パソコン「バイオ」などに使われる9型ディスプレイまで製造。 |
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