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モノ造りの変革を目指して新システム「LINKS」を構築
安定的な稼働を支えるSystemWalker


RJCニューカーオブザイヤーを受賞したセドリック

日産自動車株式会社様 導入事例


先進的なIT技術をいかに活用するかが、国際的な生き残りレースにさらされている製造業の生命線になっている。グローバルな資材調達、設計段階からの情報共有による開発期間の短縮を実現するコンカレント・エンジニアリングなど先端的IT環境を実現することが最低条件なのだ。こうした状況への対応を図るべく、日産自動車株式会社では新データ管理システム「LINKS」を構築した。モノ造りの根幹に関わるシステムだけに、LINKSには高度な信頼性と安定性が要求される。そこで同社では富士通の運用管理ツール「SystemWalker」を導入。システムの安定稼働を実現している。

[ 2000年10月掲載 ]


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データプロセス改革の実現を目指してLINKSの開発に着手

川上 隆
日産自動車株式会社 テクニカルセンター 技術システム部 EMS開発グループ課長

下松 龍太
日産自動車株式会社 テクニカルセンター 技術システム部 EMS開発グループ技師

「グローバルな企業競争の最前線に立っている日産自動車にとって必須の開発期間短縮や製品低コスト化の実現には、情報流通の効率化が欠かせません。当社がLINKSを構築したのも、こうした必要条件を実現するためでした」と語るのは、テクニカルセンター 技術システム部 EMS開発グループ 課長 川上隆氏だ。

自動車産業や航空機産業においては、3次元CADソフトや解析ツール、PDMツールなどを活用したデジタル・エンジニアリングが不可欠になりつつある。設計・製造作業の様々な工程にデジタルデータを活用すれば一気通貫の体制が実現して、モノ造り効率が向上し、開発期間も短縮できるため、企業競争力強化に大きく貢献するからだ。

デジタルでモノ造りを行う上では、課題もいくつか存在している。中でもデータ管理やデータ共有の仕組みは重要なポイントだ。必要なデータを即座に取り出せないようでは、設計をデジタル化する威力も半減する。

そこでLINKSの構築にあたり、日産では従来のホスト中心システムからオープンシステムへの転換を図った。LINKSとはLatest InformationNetworK Systemの略であり、最新のITによる情報システム環境を意味している。クロスプラットフォームでのデータ活用を実現すること、グローバルな展開に対応できることなどの条件を考慮すれば、ホストからオープンシステムへの移行は必然であった。

システムの中核となるUNIXサーバには、富士通の「Sシリーズ」を採用。これにより、ワールドワイドな展開にも対応できる基盤を確立した。富士通はLINKSのシステム開発にも参画。両社の協調による設計・構築作業を経て、LINKSは98年12月から本番稼働を開始した。

SystemWalkerを導入してシステムの状態を確実に監視

オープンシステムに移行したことで、設計業務には様々なメリットが生まれたが、一方で新たな課題も生まれている。技術システム部 EMS開発グループ 技師 下松龍太氏は「オープンシステムを効率的に運用するポイントは、サーバをどう管理するかという点にあります。現在LINKSは数十台のサーバで構成されていますが、その中には遠隔地の拠点で稼働しているものも存在します。これをすべて人手で管理していたのでは、とても効率的な運用は望めません」と説明する。

LINKSは業務の中核となるシステムだけに、システムダウンは絶対に許されない。そこで日産ではLINKSの安定稼働を実現するために、富士通の運用管理ツール「SystemWalker/CentricMGR」を導入した。

SystemWalker/CentricMGRに備わっている数多くの機能のうち、日産ではLINKSサーバの性能監視・資源監視などを活用し、サーバに異常の兆候が発見された場合には即座にオペレータに通知。障害の発生を未然に防いでいる。その導入効果について川上氏は「通常なら見落としてしまうような異常でも、CentricMGRは確実に通知してくれます。しかも1カ所でシステムを集中管理できるため、少ない人員でも確実な運用管理が行えるようになりました」と高く評価する。ディスク装置の異常を検知することで、システムダウンを事前に防止した実績もあるという。

下松氏も「グラフィカルなユーザ・インタフェースを採用しているため、サポートスタッフが簡単に利用できる点も大きなメリットです。スタッフは他にCADやPDMのサポート業務も行っているので、ツールの使いやすさは重要な要素なのです」と語る。

LINKSの稼働を最優先させたため、SystemWalker/CentricMGRの導入は半年後になった。しかしこの半年間には様々な運用上の苦労を経験し、そのことを通じてSystemWalker/CenricMGRの必要性を強く感じたと川上氏は語った。

図 日産の運用管理ネットワーク

LINKSの将来的な発展にも貢献するSystemWalker

LINKSを将来的に発展させていく上でも、SystemWalker/CentricMGRの機能が大いに活用されている。下松氏は「実稼働しているシステムの性能を評価するのは大変困難です。そこで通常はテスト期間中にデータを取ったりするわけですが、これだとシステム本来の姿が見えません。SystemWalker/CentricMGRを利用することで、業務で利用している状態での性能が正確に把握できるようになりました」と説明する。

リソースの状態を定期的にデータとして残しておけば、システムを拡張する際の目安として活用できる。しかも必要なデータを揃えるには、一日もあれば十分。従来なら同様の作業を行うのに、10日前後は要したと下松氏は続ける。単にシステムの現状をモニタリングする以外に、今後の展開を判断する材料を集める上でもSystemWalker/CentricMGRは貢献しているのだ。

SystemWalkerについても、将来的な検討がいろいろとなされている。この点について川上氏は「数十台のサーバに対して、アプリケーションをいちいちインストールしていくのは大変です。そこで今後はSystemWalkerのプログラム配信機能なども利用していきたいと考えています」と説明する。

現在、LINKSは設計で使用するソリッドモデルのデータなどを主に扱っているが、今後は文書や図面なども含めてデータを統合的に管理することになる。設計業務はもちろん、カタログや整備書などを作成する際にもLINKSのデータが活用できるようになるわけだ。

「エンジニアリングの効率化はもちろん重要ですが、それだけでは決して十分とは言えません。ITを駆使してお客様に価値あるサービスを提供すること。これが一番大切なのです。そのための基盤として、LINKSを育てていきたいですね」と豊富を語る川上氏。富士通からの提案にも大きな期待がかかっている。

激変する市場への対応を迫られる製造業。SystemWalkerは、その最前線のシステムを支える要となっているのだ。

【日産自動車株式会社様 会社概要】

本社 東京都中央区銀座6-17-1
創立 1933(昭和8)年12月
資本金 約2,037億円(1999年3月末現在)
売上高 約3兆3200億円(1998年度実績)
従業員数 約4万名(1999年3月末現在)
業務概要 日本を代表する自動車メーカー。自動車に関わる先端的な技術を開発する一方で、安全や環境保護にも意欲的に取り組んでいる。1999年10月には仏ルノー社との提携を軸に「日産リバイバル・プラン」を発表。21世紀に向けたグローバルな活動を展開。

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